シンプルとコンプレックス 宮崎駿と押井守 [映画 le cinema]
この夏(もう秋ですが)の話題の映画は、インディ・ジョーンズ、SATCに始まり、アニメは、宮崎駿の「崖の上のポニョ」と押井守「スカイ・クロラ」。
「スカイ・クロラ」は、公開から2週目で観た。観客は、そこそこ入っていたけれど、すいていたなぁ、という印象のほうが強い。前作の「イノセンス」のほうが入っていた記憶があるけれど・・・。
そして、9月中旬、ようやく「崖の上のポニョ」を観た。観る機会はいくつでもあったんです。でも、実際、夏休み中は混んでいるだろう、という予測があって(実際、混んでいたし)、8月中は観に行くことはやめていた。そして、9月に入って、ばたばたとしていて、「20世紀少年」を公開2日目で観てしまってから、ついにここまで来てしまった。
すでに、夏休み映画は終わりつつあり、秋映画の時期ですね。今回もポニョにするか、「おくりびと」にするか、ハンコックも、というように、、、。で、結局、上映開始時間が間近なポニョにすることにしました。
「崖の上のポニョ」。公開当初の論調は、賛否両論。最近では、ヴェネツィアでの喝采から評価が上向きになったというか、そんなに否のほうは言われなくなりました。なんて日本って、単純な社会なんだろうと思いますが、それはそれとして、この物語も、単純といってしまえば、それまでです。人魚姫にヒントを得た物語。その現代版でありつつ、少し、海の環境についても提起しています。その辺りが、宮崎駿らしいというのでしょうか。失われていく自然(モノ)について、何か提起しようとする。それが宮崎スタイルなのかな。
さて、翻って、「スカイ・クロラ」である。
記憶の彼方に行きつつあるけれど、非常に淡々としていているのが第一印象。何かが足りないような気がして、、、夏の暑い中に観た映画なのに、大人になれない子どもたち、キルドレ。それにつきてしまう。
そういえば、押井の代表作ともなった、「攻殻機動隊」。これは、電脳、ネットが主題ではありますが、擬体化し、子どもが大人に成長するには、換装しなければならない。換装すれば、違う擬体に乗り換えられる。キルドレと通じるものがあるような。司令官も「クサナギ」だし。ナインストーリーズ(J.D.サリンジャー)だし(TV版ですけれど)
それは、そうと、何か物足りなさというか、淡々と進むストーリーが、少々きつく感じました。原作を読んだ感じも、ナインストーリーズの断片でうまくストーリーが切られていましたが、少し物足りなさを感じました。それが、「スカイ・クロラ」なんでしょうか。
元気がよくて、シンプルな、「崖の上のポニョ」と淡々としたストーリーテリングに徹する、ある意味、叙情詩的な、「スカイ・クロラ」。
今夏の対照的なアニメ映画作品。
どちらの映画がよかったか、うーん、それは難しい。それぞれに個性が違うから。
崖の上のポニョ 関連
スカイ・クロラ 関連
押井守 関連
宮崎駿 関連
「スカイ・クロラ」は、公開から2週目で観た。観客は、そこそこ入っていたけれど、すいていたなぁ、という印象のほうが強い。前作の「イノセンス」のほうが入っていた記憶があるけれど・・・。
そして、9月中旬、ようやく「崖の上のポニョ」を観た。観る機会はいくつでもあったんです。でも、実際、夏休み中は混んでいるだろう、という予測があって(実際、混んでいたし)、8月中は観に行くことはやめていた。そして、9月に入って、ばたばたとしていて、「20世紀少年」を公開2日目で観てしまってから、ついにここまで来てしまった。
すでに、夏休み映画は終わりつつあり、秋映画の時期ですね。今回もポニョにするか、「おくりびと」にするか、ハンコックも、というように、、、。で、結局、上映開始時間が間近なポニョにすることにしました。
「崖の上のポニョ」。公開当初の論調は、賛否両論。最近では、ヴェネツィアでの喝采から評価が上向きになったというか、そんなに否のほうは言われなくなりました。なんて日本って、単純な社会なんだろうと思いますが、それはそれとして、この物語も、単純といってしまえば、それまでです。人魚姫にヒントを得た物語。その現代版でありつつ、少し、海の環境についても提起しています。その辺りが、宮崎駿らしいというのでしょうか。失われていく自然(モノ)について、何か提起しようとする。それが宮崎スタイルなのかな。
さて、翻って、「スカイ・クロラ」である。
記憶の彼方に行きつつあるけれど、非常に淡々としていているのが第一印象。何かが足りないような気がして、、、夏の暑い中に観た映画なのに、大人になれない子どもたち、キルドレ。それにつきてしまう。
そういえば、押井の代表作ともなった、「攻殻機動隊」。これは、電脳、ネットが主題ではありますが、擬体化し、子どもが大人に成長するには、換装しなければならない。換装すれば、違う擬体に乗り換えられる。キルドレと通じるものがあるような。司令官も「クサナギ」だし。ナインストーリーズ(J.D.サリンジャー)だし(TV版ですけれど)
それは、そうと、何か物足りなさというか、淡々と進むストーリーが、少々きつく感じました。原作を読んだ感じも、ナインストーリーズの断片でうまくストーリーが切られていましたが、少し物足りなさを感じました。それが、「スカイ・クロラ」なんでしょうか。
元気がよくて、シンプルな、「崖の上のポニョ」と淡々としたストーリーテリングに徹する、ある意味、叙情詩的な、「スカイ・クロラ」。
今夏の対照的なアニメ映画作品。
どちらの映画がよかったか、うーん、それは難しい。それぞれに個性が違うから。
崖の上のポニョ 関連
THE ART OF Ponyo on the Cliff―崖の上のポニョ (ジブリTHE ARTシリーズ)
- 作者:
- 出版社/メーカー: スタジオジブリ
- 発売日: 2008/08
- メディア: ムック
ピアノ/ギター/コーラス [崖の上のポニョ]より 海のおかあさん/崖の上のポニョ (ピアノ/ギター/コーラス・ピース)
- 作者:
- 出版社/メーカー: ケイ・エム・ピー
- 発売日: 2008/07/29
- メディア: 楽譜
別冊カドカワ 総力特集 崖の上のポニョ featuring スタジオジブリ (カドカワムック 279)
- 作者:
- 出版社/メーカー: 角川ザテレビジョン(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2008/09/10
- メディア: ムック
スカイ・クロラ 関連
押井守ワークス+スカイ・クロラ The Sky Crawlers (別冊宝島 1546 カルチャー&スポーツ)
- 作者:
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2008/07/19
- メディア: 単行本
スカイ・クロラ-The Sky Crawlers-絵コンテ―ANIMESTYLE ARCHIVE
- 作者: 押井 守
- 出版社/メーカー: 飛鳥新社
- 発売日: 2008/08/22
- メディア: 単行本
押井守 関連
宮崎駿 関連
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